流血のハリウッドドリーム映画『MaXXXine マキシーン』感想

映画

2024年作。A24の3部作作品の完結編。 『X』『Pearl』に続き待望の洋画ホラー…だった。

『MaXXXine』ホームページ

少女のマキシーン(ミア・ゴス)はお父さんの前で華麗に舞を披露する。それをビデオに収める父親。そしてその教会の中での映像では、マキシーンに復唱させる“私らしくない事はしない”と。

時は経ち、1985年、ロサンゼルス。ナイトストーカーによる殺人事件が街を恐怖に包み込む。そんな中、AV女優マキシン・ミンクスは、アメリカの華やかな映画の都で、オーディションに挑む。女監督エリザベス(エリザベス・デビッキ)はマキシーンの狂気のシーンテストは気に入ってる様だが。

しかし、マキシーンは過去の虐殺を生き延びてから6年。 オーディションで良好な矢先、怪しげな私立探偵ジョン・ラバト(ケヴィン・ベーコン)がマキシーンを監視し探してる紳士がいると脅迫する。 AV業にまだ身を置きつついるマキシーンは友達女優から富裕層のヒルズのパーティーに誘われるが断る。

そんな折、1人の帰宅にナイトストーカーと思う男性が後を付けてくる。マキシーンは逃げたが袋小路に追われる。 ただ、銃で応戦。相手をノシてしまう。 ハリウッド女優を目指すマキシーンにはもう誰にも邪魔はさせない強さがあった。

虐殺事件を生き延びたマキシーンの強さある。だが、ナイトストーカーと思われる男がマキシーンの友達を殺し、男女2人組の刑事ウィリアムズ刑事(ミッシェル・モナハン)とちょいちょいジュネレーションギャップのハラスメントを言うトレス刑事(ボビー・カナヴェイル)がマキシーンを追う…。

 暗い過去の汚点が決着に向かったいる。AV女優マキシーンは、ハリウッド女優を勝ち取ることが出来るのか?唯一の男友達レンタルショップ屋のレオン(モーゼス・サムニー)も巻き込まれてしまい…。

マキシーンはハリウッドの多くの若手スターの様に死んでしまうのか?ナイトストーカーは関わってくるのか…?マキシーンの明日はどっちだ?!

3部作完結編だが、まさかの…駄作。 ある一定の層には80年代のリアルな描写が刺さって高評価だった様だが。何で?1.2作共最高にドロドロしてて‘繋がりがあった’。だが、今作はー1.2作より現代寄りになって筈がこの年代の描きかたがより、ダサく見える。ガッカリだ。

キャストは探偵ジョンにケヴィン・ベーコン(名優)、ウィリアムズ刑事にミッシェル・モナハンと豪華キャストだ。ミッシェルは“近距離恋愛”で初見知ったと思う。その頃より綺麗と貫禄がある女優になったと思う。無惨にも死んでしまうけど。

それにしても‥しても!1.2の情熱が!ホラーのドロドロ感が!‥ない。 1『X』・2『Pearl』は今回の3部作『MaXXXine』になる為の布石だった筈だが、今回のマキシーンでズッコケだ。 確かに1作目の“カルト教団”の伏線ならば回収出来たろう。冒頭マキシーンの幼女シーンが“教会”に見えたので誰が‘あ、あのカルト教団だ!’なんてすぐ分かったろう。

兎に角、伏線回収したからと言って凄い出来の作品になってるかと言うと違う。え?何でなの…この出来は。

監督はずっとシリーズ同じ人、今回はミア・ゴス自体がプロデュース側に入ったから?ちょっーと“女が作ったホラー好きな人の作る映画”感になったのかな………。 私は酷評をあげるわ。無い。

教団の団長でお父さんのアーネスト(サイモン・プラスト)と実際の猟奇的殺人犯は別の人だし。

劇中ではアーネストと殺人犯が同一人物としてる様な臭わせがあるけど…違ったし。 マキシーンの良き男性の友人レオンは良い感じの人に見えたけど悲惨な死にかたするし。

 何もかも、何処から感想を書いて良いのかも分からない…内容がとっ散らかってしまう。 ーいつも通り、最初から順を追って、感想を書いていこう。

『MaXXXine マキシーン』考察?
  • 幼少マキシーンへの依存教育?

冒頭、マキシーン幼少期にはシリーズ1作目“X”のTV放送で出る様に‘カルト教団’の存在が出る様な構図。 ただ、このシーンでは教団で踊ってるんだ!とは思わない。 父とのたわいない会話、思い出のビデオ撮影…。

ただ幼少期のマキシーン自身が強気な女の子とも見れるが、お父さんに躾されてる様な、依存させてる様に強気になってるとも取れるが。“私の思わない人生は私では無い”と言う様な呪文の様な言葉に囚われさせてる。

  • マキシーン、リアルなホラーシーンを演じる

恐らく『X』から時間が経ち、Xの時よりもAVにのめり込んでしまったマキシーン。ハリウッドオーディションを受けるのは33での再出発としてた。しかもお誂え向きに“ホラー映画”への出演。

演技は恐怖を実体験した、過去の殺人事件の生き残りを…思い返してる様な演技。

自尊満々に出来たと自称し、外のオーディション候補の女優達には帰れと煽る。 ここら辺は面白い映画への始まりを匂わせてた。あと、オーディション会場の看板が“Xファクター”になってたのは芸が細い。

  • 80年代の背景とナイトストーカーの実情とパパ活の様なパーティーへの招待

1985年代として表してる。監督自身は80年代経験者だろうし、よくその時代の様子を表してる。

まず、マキシーンがオーディション帰りに長回しの様にキャバレーの様な場所の奥に倉庫がありそこでAV撮影をしてる展開も…ココが魅せたい処なんだなと解る。

80年代の様子はその後にも有線の固定電話の線が伸びたり、交換手に交換してもらい電話を繋いでもらったり? 小物も年代物で可愛い。

ちなみに固定電話、私も80年代は子供の頃で生きてたけどー受話器の線がこんなに長い事は無かった。 長い=部屋が広い様な感じを表してるのかな。

80年代のソレをふんだんに盛り込み魅せたい!としたのは監督よりもミア・ゴスの様な女の感覚なのかなと思った。 ゴテゴテした部屋の作り。

 一節にはこの80年代の映像は当時の80年代のカメラで撮ったとされてる。

また、ナイトストーカーの様な猟奇的殺人犯は80年代当時から結構居たんだろう。 1作目の感想を私が書いた時に調べまくった結果『X』は実際の高齢者殺人犯の事件がモデルだったのではと言う事だったが。 今回もナイトストーカーと言うクソダサな名前の殺人犯は誰かをモデルにしてるのであろう。

 マキシーンが誘われてる“ヒルズのパーティー”はあくまで日本語訳なのかな。実際は‘ヒルズ’と言う建物の名前では無いのかも。

富裕層集めてる様なパーティーと言うよりは今のパパ活のパーティー版みたいなイメージ?いや、乱行パーティーかな。

当時からきっと、あったんだろうね。 富裕層は若い子を集めてのパーティーが。 私の友達も昔、女子大生の友達呼んでとタレント外人(ハーフ?)弁護士に言われた事あるそうだ。

若いとね、そうゆうパーティーに呼ばれてホイホイ着いてって痛い目見るんだよね。 そんなカンタンに引っ掛かる様な世の中になって欲しく無いし、昔は情報網無かったけど今は調べれば危険性あるの解るのだから回避して欲しいね。特に女子は…。失うものばかりだから。

  • 探偵に追われ弁護士に守られる

 ケヴィン・ベーコンに追われると言う光栄な役どころのマキシーンだが…ケヴィン・ベーコンは数ある有名な作品出てるにも関わらず私自身、アクションをあまり見てこなかったので“ニューヨークアイラブユー”と“ニューヨークの恋人”位しか知らない。

すっごくカッコよく登場したのに無惨にもプレス機で殺されてしまうのが…しかも後処理はドーベルマンに食べさせると言う。

 探偵絡む時には、マキシーンには有能なプロデューサー兼弁護士が出てくる。よく分からない存在w。 プロデュースする為に度々、マキシーンに電話してたり。かと思えば、探偵を処分する為に、プレス工場を手配するなど謎の富裕層。

 その際に、戦闘ファッション(目にメイク)をするマキシーンも謎。別にそのシーンいる?って感じだけど、最初側にナイトストーカーの様な変質者に追われて銃で言う事聞かせる様なシーンも“強い女”を描きたかったんだろうなと思う。

  • 強い女マキシーン

上記の様に、ナイトストーカーの様な変態が向かってきた時に銃で脅して言う事聞かせる処、探偵に追われたら、鍵の束を片手に持ち探偵をボコるシーン。

また、最終的に教団の父らを殺し顔を潰れる位打つ等の彼女の強さは全て、1作目の『X』からの殺人事件で生き残った強さを表してると思う。

  • 友達の死

男友達のレオンと、女友達たちを亡くして行くのだが、自分が探偵に追われボコるの強さとは別に、巻き込まれていくヒロインで可哀想な構図がとても印象的にも思えた。

可哀想なんだけど…悲劇のヒロインとバチボコ強いマキシーンの対比を魅せる脚本なんだろうな。

  • 最終的な決着

ヒロインになる為に、プロデューサーに煽られて“不要なモノは排除してから女優になってね”と言う様に強さで消していくマキシーン。

このまま上手くいかないのがホラー映画だろう!と思ったけど、まさかのあのエンディング。 結局、教団に捕まりお父さんに悪魔払いの様に傷つけられそうになった時に、お誂え向きに刑事達が来る。

マキシーン自身は最初の変質者と探偵しかボコしてなく、殺人に手を染める事なく、エンディングを迎えるのか?と思ったら、ハリウッドの看板下で…お父さんを潰す。 しかも、父殺しが正当化される様な、生き残りとして 英雄の様な、過剰防衛を成し遂げる。

なんだ…それ?と思うエンディング。 そして、ホラー映画女優から自伝のハリウッド女優として名を馳せる。

未だに昔の『X』の頃の人殺しのトラウマが付いたまま、クスリを鼻で吸いながら、その地位を守りハリウッド女優のまま…エンディング。

マキシーンがコカインを吸うシーンでは、ガチョウの置物?があって前作のガチョウを模してたり、最後のコカインシーンでは、粉にする際に刻むカードは俳優協会のカードで皮肉ってるとかどうでも良い事を入れているけど。

何なんだろうね、この終わりかた。★★★

『MaXXXine マキシーン』総括感想

とても長くて紆余曲折がこう文章としてあらすじ感想を書くとあると思うが、実際に見てると無い。長くて退屈。

劇中に出るマキシーンがオーディションを受けた“ピューリタン”ってホラー映画は実際にあるのかな?サイコのオマージュだとも聞いたけど。

ミア・ゴス自身は3部作の中で1番最高!と言う説もあるが…いやいや、無いでしょ。 前作の『Pearl』のエンドロールの長回しや、前前作の『X』の1人2役での老婆と気娘が素晴らしいよ、どう考えても。

 ナイトストーカーかお父さんが見た“覗き見部屋

”が実際に7〜80年代にあった風俗的な施設だとか細かい設定も全部、80年代のリスペクト沢山入れたくても解るんだけど。そのシーン要る?ってのが何個もあった。ナイトストーカーは結局、お父さんではないし。

探偵がマキシーンを追った時のトイレは汚いし…。あんなトイレ汚いのが1番嫌。ただ、ホント、海外にはめちゃくちゃ汚いトイレや詰まったトイレを直さない事例を目の当たりにしてるから、あんだけ汚い詰まったトイレが実際にはあったんだろう。

 この映画3部作の魅力と特徴はミア・ゴスの演技ではあると思うのに…何故、こんな事になったのか。 内容がとっ散らかってる。

1作目の『X』の様に老人が殺人する+ババアの性欲が強すぎる&1人2役の衝撃と、殺人の連続でAV撮影はあくまで導入にすぎないが、ババアのSEXシーンへの道迄に必要不可欠だったのかな位なストーリー。

2作目の『Pearl』に関しては、ババアの若い頃だが、両親の介護をしながら、夫の帰りを夢見つつ、凡才なのに自分には才能があるのではと夢見て井の中の蛙でいながら、“強い”パールが最終的に殺人狂気オバケになっていく狂ってる世界が良かったのに………。

3作目が駄作になるなら作らなきゃ良かったのに!とさえ、思った。残念すぎだ。 なんだ、コレ。時間の無駄。

一部、高評価付けてる層は80年代へのアコガレで良く見えるのかもしれないが、ホラー沢山見る層からしてら駄作だよ。

私も結婚を期に16年以上ようやくホラー見てきたけど、これが駄作だとは解る。 近年のオシャレホラーで良作はもっとあるからね?!この、マキシーンが素晴らしいとか言ってる層は目を冷まして欲しい…。

最近のオシャレ面白いホラー女性向け導入作品なら、『ラストナイト・イン・ソーホー』『マリグナント』がお勧めです。 あとは過去の感想…。

1⽇限定『マキシーン』イベント 2025.05.25

マキシーン、映画楽しみでイベントに仕事の合間に行きました。 そちらの記事はコチラに→“元映画館が、X トリロジー⼀⾊に伝説の「スナック“パール”」

『元映画館』と言う場所でチケット売り場に装飾されたチケット売り場。中に入って写真も撮れますよと運営の人に御声がけもしてもらいました。 長年、チケット売り場にいたので、今回は取りませんでしたが。

壁一面には、今までのと今作3作品のチラシで埋め尽くされてました。

トイレにマキシーンプロモの電話番号も。

『MaXXXine』画像
『MaXXXine』(画像:IMDbより)
『MaXXXine マキシーン』ファンアート

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